滋賀県彦根市の観光スポットといえば、やはり最初に出てくるのは彦根城ですよね?曲線を多く取り入れたとく特徴的な外観に、城壁の白と屋根瓦の黒が美しいコントラストをなす名城です。そして、お城といえば桜。この彦根城も桜が美しく人気のお花見スポットとなっています。
しかし、春の季節に彦根城を美しく彩るのは桜だけではありません。桜より一足先に咲く梅も、彦根城の白と黒にマッチした見事な景色を創り出すため、観光客に人気があるのです。
ここでは、そんな彦根城に春の訪れを告げる梅の見所を詳しくご紹介いたします。
桜より先に春を告げる梅林が見事!近隣では朝市も開かれる琵琶湖畔の名所・彦根城の散策を楽しむ
江戸時代初期の築城当時の面影をそのまま残す彦根城は、琵琶湖沿岸を代表する観光スポットの一つです。貴重な史跡であると同時に桜の名所でもありますが、冒頭に書いたように、桜より先に梅が一足早く春の訪れを告げてくれます。
彦根城の梅林が作られたのは戦後のことですが、その場所は彦根城とその当主である井伊家の歴史を語る上で非常に重要なところです。梅林は天守閣と内堀の間に広がっています。天守閣は日本に5か所しかない国宝となっている天守閣の一つであり、内堀は琵琶湖水運の拠点として栄えた彦根の歴史を今に伝えるものでもあります。
のんびりと城内散策をすれば、重要文化財に指定されている数々の重要な歴史的建築物に加え、玄宮園という見事な大名庭園も見ることができるなど、彦根城はまさに彦根の歴史を体感することができるスポットといえるのです。
近隣の神社では朝市も開かれるなど、彦根城とその周辺には楽しみが尽きません。
彦根城の梅林スポット情報
見所時期 | 3月下旬頃 |
場所 | 滋賀県彦根市金亀町1-1 |
アクセス方法 | 電車:JR東海道本線彦根駅から彦根城佐和口まで徒歩15分 バス:JR東海道本線彦根駅から「彦根ご城下巡回バス」で約3分 車:名神高速道路彦根ICから国道306号線を右折して彦根市内方面へ進み外町交差点を直進して約10分 |
料金等 | 彦根城博物館のみ:大人500円、小人 250円 彦根城、玄宮園、博物館のセット:大人1,000円、小人350円 |
公式HP | 彦根城|彦根市オフィシャルページ https://www.hikoneshi.com/jp/castle/ |
補足情報 | 「彦根ご城下巡回バス」は300円で乗り放題となっており、周辺の観光地を巡回している便利なバスです。ただし毎日運行ではないので運行日の確認が必要です。 |
訪れるときの服装・荷物など注意点
彦根城の梅林はやや傾斜のある坂に作られているため、歩きやすい格好が最適です。女性はスカートよりもパンツがおすすめで、バッグもリュックや斜め掛けなど両手が自由になるものが良いです。
敷地内は大変広く見どころも多いうえに、きつい階段などもあるため、靴もフラットで履きやすいものが適しています。梅の見頃である3月下旬は天気によっては肌寒いこともあるので、上着も欠かせません。暖かい時には脱いで調節できるような軽いコートやジャケットなどが良いでしょう。
比較的空いている時期・曜日・時間帯
彦根城の開場時間は8:30から17:00までです。
梅林をライトアップする「ひこね梅あかり」の時期は20:00まで空いていますが、人気のイベントなので夕方から夜にかけて非常に混雑します。空いている時を狙うのであればイベントの時間帯は避けたほうが良いでしょう。天守閣では彦根市のキャラクター「ひこにゃん」のお出ましが1日に2回、10:30と15:00にあるので特に混みます。この時間を避ければ平日は比較的空いていることが多いです。
午後よりも午前中が空いているので、のんびり梅を眺めるなら早い時間に足を運びましょう。
周辺のお食事処
ちょっと歩き疲れたら、城内のお茶屋「鳳翔台」でホッと一息ついてみてはいかがでしょうか?玄宮園の築山の上にたたずむ茶室でお茶とお菓子をいただきながら、美しい庭園を眺めることができます。
食事をとるなら彦根城京橋口に近い「夢京橋キャッスルロード」がおすすめです。江戸時代の城下町をイメージした白壁に黒格子の町屋風の建物が並ぶ通りで、飲食店や土産物店など多数のお店でにぎわっています。
せっかく彦根に行ったのだから地元の名産品を!という方は、近江牛がリーズナブルに味わえる「二九食や」や、比内地鶏の親子丼が食べられる「ほっこりや」へ。洋食が好きなら創作パスタの「Cocotte」がおすすめです。ランチも良いですが、ケーキセットやパフェセットもあるので、お茶の時間に寄るのも良いでしょう。
お手洗い(トイレ)の場所
トイレは彦根城の敷地内に10か所あります。天守閣などの主要なスポットのそばに配置されているので、散策の途中で立ち寄るのに便利です。また、駅前にも公衆トイレがあるので安心ですね。
彦根城の梅を楽しむモデルルート
彦根駅から彦根城佐和口へと続く「彦根駅前お城通り」は、多くの商業施設が立ち並ぶ彦根のメインストリートです。ほぼ1本道なので、迷わずお城にたどり着くことができます。
佐和口を入ると目の前にそびえるのは彦根城博物館。井伊家に伝わる古文書や美術品が展示されています。ここから内堀に沿って左回るとやがて大手門橋に出ます。そして橋を渡った先にあるのが梅林と天守閣です。反対に博物館からお堀沿いに右手へ回ると、屋形船の乗り場や大名庭園「玄宮園」があります。一回りしてから夢京橋キャッスルロードへ向かうなら右回り、散策後に鳳翔台でお茶を楽しみたいなら左回りがおすすめです。
彦根城を出てすぐの琵琶湖沿いには国指定名勝の旧彦根藩松原下屋敷、通称「お浜御殿」があります。公開はゴールデンウィークと秋の年2回ですが、特に秋は紅葉が見事です。
井伊家の菩提寺で、井伊直弼がよく訪れた茶室のある「龍潭寺」もおすすめスポット。彦根ご城下巡回バスが通っているので気軽に行くことができます。
必ず見ておきたいポイント
彦根城の梅林は彦根城大手門のすぐそばにあります。内堀に沿って450本もの紅梅・白梅が植えられており、水に映える姿もまた絶景です。毎年梅の時期には「ひこね梅あかり」というライトアップイベントが行われます。夜の暗闇に映える紅白の梅はとても幻想的で、昼間とはまた一味違った魅力があります。
「ひこね梅あかり」の日程は例年春分の日から4~5日間となっていますが、年によって若干異なるため、訪れる際はあらかじめ確認しておきましょう。夕方、地元高校の吹奏楽部による華やかな演奏に始まり、夜8時頃までのんびり散策したりフードカーによるグルメを楽しんだりすることができます。
駅からの最寄口である彦根城佐和口から梅林へは内堀に沿って歩くことになるので、のんびりと散策が楽しめます。梅林のすぐ近くには天守閣があり、梅の花のバックにそびえる美しい姿はまさに絶景です。彦根城の天守閣は変化に富んだ外観を持つ端正な佇まいが魅力で国宝にも指定されており、ぜひ時間をかけて見ておきたいところです。
彦根城の梅林と一緒に訪ねてほしい場所
彦根城は歩いて回っても良いのですが、屋形船でお堀を一周するのも風情があのでおすすめです。この屋形船は江戸時代の図面などから井伊家の当主が乗った専用船を忠実に再現したもので、春の梅や桜だけでなく秋の紅葉など四季折々の風景をのんびりと楽しむことができます。
歴史が好きな方なら「彦根城博物館」も見逃せません。この博物館は彦根城表御殿の跡地に建っていますが、その表御殿の復元された姿や江戸時代の能舞台などを見ることができます。
彦根城のすぐ近くにある「護国神社」の参道では、毎月第3日曜日の朝8時から「ひこねで朝市」が行われています。地元グルメや雑貨などの屋台がずらりと並んでにぎわっており、彦根城へ行く前に立ち寄って行きたいスポットです。
彦根城の梅林の歴史背景
彦根城は井伊氏の拠点として江戸時代初期に約20年もの歳月をかけて築かれた城です。明治の廃城令による破壊を免れた貴重な城で、天守閣など2か所が国宝に、馬屋など5か所が重要文化財に指定されています。
戦後1950年に「新日本観光地百選」が選定されたとき、彦根城は建造物部門での入選を果たしました。そのことを記念して450本の梅の木が植えられ、現在は見事な梅林となっているのです。
梅林が作られたのは、かつて城内の公儀御用米の米蔵があった場所。井伊家は大坂夏の陣で徳川軍として活躍した譜代大名で、二代将軍秀忠から四代家綱まで三代にわたって執政を務めた由緒ある家柄です。幕府への貢献度の高さから加増に加増を加えた30万石大名として豊かに栄えました。
なお一般に「彦根35万石」と称されていますが、これは幕府領5万石の預かりを加えたものです。その預かり分が「公儀御用米」であり、この大切な米を保管していた米蔵の場所が現在の梅林になっています。
ぜひ見事な梅の咲く春の彦根城へ!
いかがでしたか?
滋賀の誇る名城・彦根城は、一年を通じて四季折々の表情を見せてくれますが、やはり春の美しさは別格です。
ぜひ春の訪れとともに城を彩る美しい梅の花を楽しんでくださいね!
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