信楽といえば、たぬきの置物で有名な信楽焼が観光の中心ですが、それだけではありません。豊かな自然と長い歴史に育まれた観光名所が信楽には存在しており、四季折々の表情で観光客を楽しませています。
陶芸ファンも、そうでない人も、信楽の街を好きになっていただけるように、ここでは信楽観光で訪れたいスポットを5つご紹介します。ぜひあなたも奥深い信楽の魅力に触れて下さい。
焼き物の町・信楽には窯元の他にも「美」の名所がいっぱい
滋賀県甲賀市信楽町は日本六古窯の一つ「信楽焼」の産地として全国的に有名です。最近では陶芸に人生を賭ける女性の姿を描いたNHK朝の連続テレビ小説「スカーレット」の舞台となったことでさらに注目度が増しています。
良質な粘土が取れる信楽では、鎌倉時代から焼き物作りが盛んに行われてきました。京都・奈良という茶の湯の本場に近く、畿内と東海地方を結ぶ交通の要衝でもあったことから、焼き物の一大生産地としての歴史を積み重ね、現在でも多くの窯元が存在します。
そうした窯元をめぐる旅も人気となっていますが、実は信楽には他にも見所がたくさんあります。豊かな自然を楽しめる場所やこの町ならではのユニークな神社、そして貴重なコレクションを持つ美術館など、見逃せないスポットばかりです。
それでは焼き物を入口に、奥深い信楽の魅力を探る旅に出かけてみましょう。
信楽観光で見所が多い時期は?
信楽観光の中心は、街歩きや陶芸の森を訪れるなど焼き物に関連したものです。これは季節によって内容が左右されるものではないので、基本的には通年で観光が楽しめるでしょう。
ただ、他の観光スポットも一緒に回るのであれば、見所の時期というのがある程度限られてきます。特に花や紅葉など自然を楽しむ場所をめぐるのであれば、最適なシーズンは押さえておきたいところです。
例えば、サツキの名所である大池寺を訪れるなら、花の最盛期である5~6月がおすすめです。5月には愛宕神社の春季大祭も3日間にわたって行われるので多くの人が集まります。のんびり歩いて回るには、気候的にも春が最適です。また、紅葉を楽しめるスポットもあるので秋に訪れるのも良さそうです。
信楽で訪れたい観光スポット5選
滋賀県立陶芸の森
見所時期 | 通年 |
場所 | 滋賀県甲賀市信楽町勅旨2188-7 |
アクセス方法 | 電車…信楽高原鉄道信楽駅下車徒歩20分またはバス5分 車…新名神高速道路信楽ICより8分 |
公式HP | 滋賀県立陶芸の森 https://www.sccp.jp/ |
補足情報 | 不定期で体験講座を行っています。参加には事前予約が必要です |
「滋賀県立陶芸の森」は、信楽高原の裾野に広がる「陶芸」をテーマとした都市公園です。信楽焼をはじめ世界の陶芸を展示する「陶芸館」や、ショップを兼ねたギャラリーで陶器を買うこともできます。他にもカフェも併設した「信楽産業展示館」、世界の陶芸家が集まって創作活動を行う「創作研修館」など多彩な施設があります。
屋外の広場には様々なアーティストの作品を常設展示しており、ゆっくり散策しながら見て回ることができます。天気の良い日はお弁当を持ってピクニックに行くにも最適な場所です。
標高300メートルの広場からは抜群の眺望も楽しめます。駅からのアクセスも良く、信楽観光では外せないスポットです。
信楽窯元めぐり(信楽窯元散策路)
見所時期 | 通年 |
場所 | 滋賀県甲賀市信楽町
※地図は散策路スタート地点付近の新宮神社です。 |
アクセス方法 | 電車…信楽高原鉄道信楽駅下車 車…新名神高速道路信楽ICより10分 |
公式HP | 信楽 窯元散策路Wa https://shigaraki-wa.jp/ |
補足情報 | 窯元毎に休日・営業時間はバラバラなので事前に確認しましょう |
「信楽窯元散策路」は、信楽駅前の広い範囲にわたって分布する多くの窯元を徒歩でめぐることができる散策路です。それぞれの窯元では実際に陶器を生産・販売しており、信楽焼製作の現場を生で見ることができる貴重な施設となっています。カフェやギャラリーも併設されているので、休憩を取りながらのんびり見学することが可能です。
毎年4月初旬の3日間(年により異なる)には「ぶらり窯元めぐり」というイベントが行われます。これは各窯元がそれぞれ工夫を凝らした企画でおもてなしをするというもので、陶ビーズを集めて革紐に通しブレスレットを作るというユニークな企画も楽しみですね。
街自体も昔の面影を残して非常に情緒があり、街並みを眺めながら歩くだけでも楽しめるエリアです。
愛宕神社(あたごじんじゃ)/陶器神社
見所時期 | 通年(秋の紅葉の時期、7月の火まつりの時期がおすすめ) |
場所 | 滋賀県甲賀市信楽町長野 |
アクセス方法 | 電車…信楽高原鉄道信楽駅下車徒歩10分 車…新名神高速道信楽ICから10分 |
公式HP | なし |
補足情報 | 陶器神社は山の上にあり、参拝は軽く山登りになるので動きやすい格好がおすすめです。 |
「愛宕神社」は平安中期の創建と伝えられる神社で、信楽駅にほど近い愛宕山の山頂にあります。715年に創建された「紫香楽一宮新宮神社」の摂社であり、毎年7月の「しがらき火祭」では新宮神社で採火された火が愛宕神社に奉納されています。山頂には陶祖が祀られていることから「陶器神社」とも呼ばれ、鳥居や灯篭も陶器で作られるなど焼き物の町ならではの個性ある神社です。
標高369メートルの山頂へ至る道筋は階段や石段、坂道となっていて、ちょっとした登山のようですが、自然の中を歩くのは清々しく、頂上からの眺望は素晴らしいものです。春の新緑や秋の紅葉など、四季折々の豊かな自然も楽しめます。
大池寺 蓬莱庭園
見所時期 | 春・秋 |
場所 | 滋賀県甲賀市水口町名坂1168 |
アクセス方法 | 電車…JR草津線貴生川駅下車バス20分 車…新名神高速道路甲南ICより15分 |
公式HP | 蓬莱庭園 大池寺 https://www.sunalix.co.jp/daichiji/ |
補足情報 | お盆と年末年始はお休みです。 |
「大池寺」は8世紀の天平年間に創建されたといわれる臨済宗の寺院です。布教のため全国行脚をしていた僧・行基がこの地を訪れた際、日照りに苦しむ農民のため「心」という字をかたどった灌漑用の池を掘ったのがその始まりと伝えられています。
大池寺は「蓬莱庭園」というサツキの大刈込式庭園があることで有名です。刈り込みによって大波小波を表現した見事な枯山水庭園で、特にサツキの花が咲く5月下旬~6月中旬には庭園がピンク色に染まり、書院に続く茶室からの眺めはまさに絶景です。
さらに、夏には緑が濃く、秋には紅葉、冬には紫褐色となって四季折々に豊かな自然の色彩美を楽しむことができます。駅からは少々離れていますが、それでもぜひ一度は訪れたい名所といえます。
MIHO MUSEUM(ミホ・ミュージアム)
見所時期 | 通年 |
場所 | 滋賀県甲賀市信楽町田代桃谷300 |
アクセス方法 | 電車…JR東海道本線石山駅下車バス50分 車…新名神高速道路信楽ICより15分 |
料金等 | 大人:1100円 高校生・大学生:800円 小学生・中学生:300円 ※障害者割引:200円引き |
公式HP | MIHO MUSEUM(ミホミュージアム) http://www.miho.or.jp/ |
補足情報 | 月曜休館のほか展示替えのための休館期間あり |
「MIHO MUSEUM(ミホ・ミュージアム)」は建築家I.M.Pei(イオ・ミン・ペイ)の設計で1997年に建てられた美術館です。ギリシャ・ローマからシルクロードを経て中国・日本まで約3000点の古代美術の名品を所蔵しています。
「桃源郷はここ」というコンセプトの元、しだれ桜に囲まれたアプローチロードからトンネルをくぐり、吊り橋を渡った先に展示館があるというユニークな構成になっています。周囲の自然景観に配慮して建物の8割が地下に埋められているというのも大きな特徴です。
無農薬野菜を使用したメニューを提供するカフェやレストランを併設し、年間を通じて様々な企画展を開催しているので、いつ訪れても楽しい美術館ですが、やはりおすすめは桜の花が咲く4月です。
信楽観光に訪れるなら宿泊しながらゆっくり訪れたい
見所が非常に多く、また一つ一つの内容も濃くじっくり見て歩きたいのが信楽の観光です。そのため日帰りよりも宿泊しながら時間に余裕をもって訪れるのがおすすめです。
信楽には温泉もあり、ゆっくりできる宿が数多く存在します。陶芸の街を歩き回ったり、愛宕山に登ったりして疲れたときには、くつろげる温泉とおいしい料理で英気を養い、翌日に備えるのも良いでしょう。
陶芸の町としての現在の信楽の発展は、長い歴史の上にあるものです。昔ながらの風情を伝える窯元散策路や陶芸の神様として親しまれてきた愛宕神社、さらにはサツキが美しい名園などをめぐる旅は、そんな信楽の歴史をたどる時間旅行ともいえるでしょう。
足早に観光地を回るのではなくじっくりと腰を据えた旅を楽しみたいなら、信楽は最適の町といえます。
陶器以外にも魅力ある街・信楽
このページをお読み頂ければ分かるように、信楽には信楽焼の他にも魅力的な観光スポットがあります。
信楽は、陶器にあまり興味がなくても、十分楽しめる街です。
ぜひ、時間を見つけて信楽観光を楽しんでくださいね!
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