石龕寺(せきがんじ)絶景の紅葉と明智光秀の丹波攻略を逃れた山門

石龕寺(せきがんじ)は丹波・紅葉の名所「丹波紅葉三山」の一つとして知られる寺院です。最近では紅葉の絶景スポットとして知られ、多くの観光客が訪れる人気スポットになっています。

石龕寺は聖徳太一の時代に作られ、足利尊氏や明智光秀との関わりも深く、史跡めぐりスポットとしても非常に興味深い場所です。

石龕寺の歴史と四季の魅力についてまとめましたので、ぜひ今年の旅先に取り入れてみてくださいね。

石龕寺(せきがんじ)は紅葉だけでなく明智光秀との縁も深い寺院

石龕寺は、兵庫県丹波市にある千年以上の歴史を誇る古刹(古い寺院)です。

聖徳太子によって創建され、足利尊氏とその子供である足利義詮が身を寄せたという伝説も残っています。戦国時代、明智光秀による丹波攻めによって山門(仁王門)以外は消失してしまいましたが、江戸時代になってから徐々に復興されて現在の姿となりました。また、山門にある仁王像は1242年に肥後法橋定慶によって作られました。現在国の重要文化財に指定されています。

今は丹波紅葉三山の1つに数えられ、紅葉の名所としても有名です。丹波市観光100選に寺院・神社部門ともみじの名所部門の両方から指定されています。

毎年11月にはもみじ祭が開催され、武者行列や紅葉のライトアップなどが行われるので、それに合わせて訪れてもいいでしょう。

丹波に紅葉の名所は数多くありますが、ライトアップが行われる寺社は石龕寺だけです。紅葉だけでなく、鎌倉時代の仏教美術が好きな方、足利尊氏や明智光秀など歴史に名を残した人物の足跡をたどりたい方にはおすすめの観光スポットです。

石龕寺(せきがんじ)へのアクセスと見所情報

見所時期 紅葉:11月上旬~中旬
場所 兵庫県丹波市山南町岩屋2番地

アクセス方法 電車:谷川駅より姫神バス、坂尻行きに乗車、井原下車後徒歩30分

タクシー:JR「谷川駅」より車で約15分

車:北近畿豊岡自動車道氷上ICから約30分、または中国自動車道滝野社ICから約30分

※駐車場は山門前に50台分あります。紅葉の見所の時期は駐車場が早めに一杯になります。谷川駅まで電車で行き、駅からタクシーを使うのもおすすめです。

料金等 拝観料:大人300円、中高生100円、小学生以下・身体障害者 無料
公式HP 丹波市観光協会-石龕寺

https://www.tambacity-kankou.jp/members/detail.php?id=121
(※現在のところ、公式HPはありません)

補足情報 紅葉の名所としての知名度が上がり、日中は混雑すること多く、写真をゆっくり撮影するのが難しいと言われています。早朝か夕方であればすこし空いているので、写真をゆっくり取りたい方は時間をずらすほうが良さそうです。

訪れるときの服装・荷物など注意点

石龕寺は丹波市の山中にあり、丹波市内よりも気温が低めです。市内を歩くより暖かい服装をしていきましょう。秋は朝と昼との温度差が大きく、気温によっては歩いているうちに暑くなるので脱ぎ着できるよう重ね着がおすすめです。

石龕寺の参道は整備されていますが坂が多く、歩く距離も長いのでスニーカーなど歩きやすい靴を履いていきましょう。荷物はリュックサックなど両手が空くようなスタイルがおすすめです。坂が多いので、ペットボトルやカメラなど必要最低限の物だけを持っていきましょう。この他、足が弱い人は杖など歩行を補助する物を持っていくのもおすすめです。

比較的空いている時期・曜日・時間帯

石龕寺は丹波紅葉三山にも数えられている紅葉の名所です。ですから、紅葉の時期である11月上旬~中旬の土日は混雑するでしょう。混雑を避けるなら、平日午前中の時間帯がおすすめです。美しい紅葉をじっくりと楽しみたい人や写真撮影をしたい人は、土日を避けて平日に訪れるといいでしょう。

また、石龕寺は山の中にあります。秋は早く日が暮れるので午後に訪れる場合は早めがおすすめです。紅葉の時期は拝観時間が9時~17時となります。

石龕寺(せきがんじ)周辺のお食事処・休憩場所

石龕寺は山の中にあるため、すぐ近所にはレストランや食堂、カフェなどはありません。トイレは山門を入ってすぐの場所にあります。

また、紅葉の時期になると山門前に露店が出る他、檀家の人々が接待をしてくれるので利用してもいいでしょう。ちょっとした休憩はできます。鯛焼きやたこ焼きなどの軽食の他、甘酒やぜんざいなどが振る舞われることもあるでしょう。

しっかりと食事をしたり休憩したりしたい場合は、柏原駅近辺まで行くのがおすすめです。中でも、柏原駅から徒歩7分の場所にある「無鹿(むじか)」は、鹿肉料理が食べられます。丹波市はイノシシ肉が有名ですが、鹿肉も低脂肪、高タンパク、鉄分が多く、とくに女性におすすめです。せっかく丹波に来たのだから野趣溢れるジビエを食べてみたいという方は訪れてみてはいかがでしょうか。

また、最寄り駅である「JR谷川駅」から東へ2km行ったところには、丹波の名物黒豆をつかった料理が食べられる「おにぎりと野菜のレストラン千華」があります。このレストランは予約優先なので、紅葉の時期は予約をするのがおすすめです。

石龕寺(せきがんじ)の歴史とゆかり

石龕寺(せきがんじ)は、587年に聖徳太子が開基したと伝えられています。石龕寺の「龕」は仏像などを安置する厨子や壁面の窪みを意味し、石龕寺の場合は本堂から約800mほど山上に登った所にある奥の院にある石窟が名前の由来です。聖徳太子が深く帰依したと伝えられている毘沙門天が本尊となっています。

また、山門の仁王像は1242年に肥後法橋定慶によって作られました。現在は重要文化財に指定されています。

南北朝時代、弟の足利直義との政権争いに敗れた足利尊氏が、京都から播磨へ落ちのびる途中、息子の足利義詮と共に一時期石龕寺に滞在しました。この時、足利尊氏が植えた栗が、現在も「ててうち栗」や「つめあと栗」という名で残っています。

戦国時代になると明智光秀の丹波攻略に巻きこまれ、石龕寺の建物は山門以外すべて消失してしまいました。
その後、江戸時代から徐々に復興が始まり、100年以上の時間をかけて再興されます。
2018年の台風で推定樹齢300年の「コウヨウザン」が折れ倒木し本堂を直撃する被害を受けましたが、2019年10月に修復工事が終了しました。

石龕寺(せきがんじ)を楽しむモデルルート

石龕寺(せきがんじ)は山の中にあり、境内も広いのでゆっくりと見て回りたい場合は早めに訪れましょう。紅葉の時期は拝観時間が9時~17時となるので、開門時間に合わせて早めに訪れると比較的空いていてゆっくり見れるかもしれません。

モデルルートとしては、山門で仁王像を拝観した後、紅葉を楽しみながら毘沙門天が祀られている本堂(毘沙門堂)へ向かいましょう。道は緩やかな上り坂で、毘沙門堂の前には石段があります。足腰に自信がない方はここで引き返してもいいでしょう。

もっと散策したい場合は、奥の院へ向かう参道を登っていくと鐘楼堂や奥の院拝殿、蔵王権現、足利尊氏屋敷跡などを見学できます。山門から奥の院まで散策しながらゆっくり歩けば1時間程度かかるでしょう。

紅葉の時期は混み合いますので、早めの行動が大切です。なお、山歩きに自信がある人は奥の院を拝観後、尾根道をたどり展望台で絶景を楽しんだ後、山林遊歩道を下って本堂まで戻ってくるルートをたどってもいいでしょう。

石龕寺(せきがんじ)に来たら必ず見ておきたいポイント

石龕寺(せきがんじ)を訪れたら、まず見ていただきたい場所が山門(仁王門)です。明智光秀が丹波攻略を行った際、唯一戦火から逃れた建物で、歴史の重みを感じさせてくれます。山門をくぐった先には石仏群があり、人の少ない時間帯にいくとなんともいえない風情を感じられるでしょう。

石龕寺は紅葉が有名ですが、夏の新緑や大切に保護されている苔も美しいものです。特に、本堂(毘沙門堂)付近の地面は緑のじゅうたんのようですので、ぜひ注目してみてください。

また、紅葉の時期は本堂から約1km山上を登ったところにある展望広場から絶景が楽しめます。山門から本堂までの紅葉も十分に美しいのですが、紅葉と山里が一緒に望める光景は一度見たら忘れられません。撮影スポットの穴場でもあるので、時間に余裕があって足腰が丈夫ならばぜひ足を伸ばしてみてください。

なお、毎年11月に行われるもみじ祭では、足利氏にちなんで武者行列も行われます。紅葉と武者の組み合わせも趣があります。

石龕寺(せきがんじ)に来たら一緒に訪ねてほしい場所

石龕寺(せきがんじ)を訪れたら、ぜひ「永谷山 円通寺」や「高源寺」も訪れてみましょう。「石龕寺」・「永谷山 円通寺」・「高源寺」の3つの寺院は丹波紅葉三山に指定されています。

永谷山円通寺は明智光秀が寺院の貫禄に感じ入り、豪氏荻野喜右衛門の説得もあって焼失を免れたという逸話が有名です。

高源寺は寺院を開山した遠谿祖雄禅師が中国の天目山から持ち帰ったと伝えられているテンモクカエデが境内にたくさん植えられています。紅葉の時期はカエデが一斉に色づいて、美しい景色が楽しめます。高山寺は、石龕寺と同じく寺院・神社部門ともみじの名所部門の両方で丹波市観光100選に選ばれている寺院です。

丹波市では、毎年紅葉の時期にこれら紅葉の名所を巡る丹波もみじめぐりの無料シャトルバスを運行しています。シャトルバスを利用すれば、効率よく紅葉の名所を回れることでしょう。

石龕寺と丹波紅葉三山をめぐる旅をぜひ

2020年は大河ドラマ「麒麟が来る」の影響もあり、明智光秀が活躍した丹波地方に注目が集まっています。

史跡めぐりだけではなく紅葉も合わせて楽しめるスポットですので、歴史に思いを馳せながら素敵な風景を写真に切り取ってみてくださいね。

 

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