日吉大社は関東屈指の紅葉名所~明智光秀ゆかりの地・滋賀大津をめぐる旅

日吉大社

日吉大社には約3000本の紅葉があり、関西屈指の紅葉の名所として知られています。

日吉大社が紅葉の名所であるということは地元の滋賀・大津ではよく知られていますが、実は一般にはあまり知られていない紅葉の穴場です。

そもそも日吉大社は歴史上の重要な役割をになっている神社なので、取り立てて紅葉注目されることが少ない影響もあるのかもしれませんね。

今回は、日吉大社について、歴史背景とともに紅葉の名所としての見どころをお伝えしていきます。是非今年の紅葉狩りの候補に入れてみてくださいね。

日吉大社は丹波の紅葉めぐりの穴場で歴史も深い寺院

日吉大社は比叡山の麓にある神社で、約2100年前、崇神天皇の7年に建てられました。日吉神社は全国3800あまりの日吉・日枝・山王神社の総本宮となる神社で、京の都のの北東(表鬼門)に当たることから、都の魔除・災難除をまつる社とされています。

また日吉大社がある比叡山の麓「大津市坂本」は三日天下で知られる明智光秀にゆかりの深い地でもあります。日吉大社から徒歩10分くらいのところに天台真盛宗総本山 西教寺がありますが、こちらの寺院は明智光秀と一族の菩提寺になっています。

日吉大社へのアクセスと見所情報

見所時期
  • 桜:4月初旬ごろ
  • 紅葉:11月中旬~下旬

※その他の行事は補足にまとめておきます。

場所 滋賀県大津市坂本5丁目1-1

 

アクセス方法
  • 電車の場合:JR湖西線比叡山坂本駅から徒歩20分、京阪電車石山坂本線坂本比叡山口駅から徒歩10分
  • 車の場合:神社に無料駐車場はありますが、時期によって有料になる場合があります。
料金等 入苑協賛料 大人300円・小人150円

参拝時間9:00~16:30

公式HP 日吉大社 公式HP
http://hiyoshitaisha.jp/
補足情報
  • 4月12日~14日山王祭
  • 5月1日または2日茶摘祭(日本最古の茶園での祭)
  • 6月第1または第2水曜庖丁祭
  • 11月1日~12月1日紅葉祭り
  • 11月17日表千家献茶祭

なお、日吉神社で4月初旬ごろから見頃になる桜は、京阪坂本駅近くの大鳥居から神社入口までの県道沿いのエリアが見所です。

また、日吉神社では11月中旬から下旬にかけて紅葉がきれいで、ライトアップもされますので風情ある景色が楽しめます。また紅葉は境内だけでなく、日吉大社周辺も紅葉がきれいなので、紅葉狩りしながら散策が楽しめる点もポイントです。

なお日吉神社には本宮2社と5摂社の上7社のほか、中7社・下7社など境内社が数多くありますので、多めにお賽銭用の小銭を持っていくとお参りしやすいでしょう。

また大きな神社と言えば門前菓子がつきものです。先に紹介した2軒のそば店の並びにある鶴屋益光と言う和菓子店には神猿最中と言う門前菓子があります。猿をかたどった可愛いお土産になるでしょう。

訪れるときの服装・荷物など注意点

日吉大社に訪れる際は、歩きやすい服装・靴で参拝することをおすすめします。駅から日吉神社までの距離もありますし、境内も広く東京ドーム8.5個分(約40ヘクタール)と広いため、あるきにくい靴などでは疲れてしまうかもしれません。

また、日吉神社は比叡山の山麓にあり、少しアップダウンのある場所に位置していますので、荷物も少なめにし、身軽に行動できるような格好で訪れたほうが良いでしょう。

季節によりますが、紅葉がりの季節(11月頃)に日吉大社に訪れる場合は上着を持っていくと良さそうです。日吉神社は山麓(比叡山のふもと)にありますので、冷える日もあります。上から羽織れるものを持って行くと、気温差や場所によって温度差を調節できるので便利です。

比較的空いている時期・曜日・時間帯

日吉神社は紅葉の時期が最も混雑します。特に、11月1日~12月1日までは「もみじまつり」が行われていますので特に混雑が予想されます。

日吉神社の境内で紅葉を見たい場合は、参拝時間が9時~16時半と決まっていますので早朝拝観等で混雑を避けることは難しくなります。土日に比べると平日の午前中の方が空いていますので、紅葉がきれいな季節に訪れるなら平日の午前中を狙ってみると少し空いていることがあります。

日吉大社では毎月の1日と14日に月次祭が行われ、この日は混雑しやすくなります。そのため、混雑しやすい紅葉狩りの季節にくるのであれば、11月1日、11月14日を避けることで多少混雑緩和が期待できます。

尚、紅葉まつりの期間外でも“暖冬”の場合は紅葉が少し伸びますので、紅葉まつりが終わった翌日の12月2日以降12日までの間にもまだまだ紅葉が楽しめることがあります。

ちなみに紅葉以外の時期、特に8月から10月の3か月間は年中行事もありませんので、この時期に日吉大社を訪れるのであれば比較的空いていることが多いでしょう。


紅葉だけでなく雪景色や夏なども風情が楽しめる神社なのでぜひ訪れてみてください。

お手洗い(トイレ)

日吉大社にはトイレが3か所あります。そのうち入口赤鳥居前の観光者用トイレには障害者用トイレも設置されています。ただ、全体の広さに比べるとトイレの数は多くありません。近くで食事休憩をした際などに店で借りておくのが良いでしょう。

日吉大社周辺のお食事処

日吉大社の参拝といえば、食事にそばを楽しむのが定番です。

日吉大社の周辺にあるそばの有名店はこちらの2つ。店の場所は隣り合っていますのですぐわかります。

鶴喜そば

営業時間:10:00〜18:00

定休日:毎月第3金曜日(1月・6月は第3木曜日も休み、8月・11月は無休、駐車場あり。)

日吉そば

営業時間:11:30~15:30と17:00~22:00

定休日:毎週月曜日

日吉大社の歴史とゆかり

日吉大社と言えば明智光秀とゆかりの深い神社です。

日吉神社と明智光秀のゆかりは明智光秀が織田信長に命じられて比叡山焼き討ちを行った当時の居城(坂本城)が、日吉大社のすぐ近くにあったことに由来します。

この日吉大社はもともと3世紀頃に日枝の山(比叡山)山頂から現在地に遷宮したとされています。この記事の冒頭にも書きましたが、平安時代からは平安京の鬼門を守護する神社としての位置づけになったそうです。

その後、伝教大師最澄は比叡山に延暦寺をひらいた際、地主神としてこの日吉大社を祀ったため、明智光秀が比叡山焼き討ちをする際、延暦寺とのつながりのあった日吉神社も燃やされてしまいました。

日吉神社は焼失後、豊臣秀吉(幼名:日吉丸)がこの神社の再建に力を尽くしています。

日吉大社を楽しむモデルルート

日吉大社を含めたモデルルートとしては、日吉大社参拝の次に北へ移動して西教寺を訪問し、そこから南に向いて琵琶湖畔方面を目指すのが効率的です。

日吉大社の近くには明智光秀の菩提寺である西教寺(こちらも紅葉の名所)があります。日吉大社と西教寺を訪れたあとには、そばで昼食にしてそこから坂本城址を訪れると時間配分もいい感じになるでしょう。また少し足を伸ばせば坂本城址(公園)も歩いていけます。

また日吉大社の境内は広いので、こちらもある程度参拝ルートを考えておくと良さそうです。

日吉大社のHPに境内案内があり、そちらを見ると境内の全体像がつかめます。山麓を含め広いエリアが境内になっていますので、体力に合わせて参拝エリアを選んでみてください。

オススメは以下の山王七社をめぐるルートです。各宮には神々が祀られています。

  • 西本宮:大己貴神(おおなむちのかみ)
  • 東本宮:大山咋神(おおやまくいのかみ)
  • 宇佐宮:田心姫神(たごりひめのかみ)
  • 牛尾宮:大山咋神荒魂(おおやまくいのかみのあらみたま)
  • 白山宮:菊理姫神(くくりのひめのかみ)
  • 樹下宮:鴨玉依姫神(かもたまよりひめのかみ)
  • 三宮宮:鴨玉依姫神荒魂(かもたまよりひめのかみのあらみたま)

この中で最初に訪れやすいのが、鳥居を入って最初の西本宮エリアです。日吉大社の西側にある西本宮・宇佐美宮・白山宮を訪れます。その後、東本宮方面へ移動して、東本宮・樹下宮を参拝します。

ここまでで5つの社を参拝しましたが、残りの2社(牛尾宮・三宮)は奥宮と行って1km上の山頂にあります。体力がある方は奥宮まで山の小道を登り、牛尾宮・三宮宮の2社を参拝すると良いでしょう。

逆に体力に自信がない場合はここまでの5つの宮の参拝で終わりにし、神社のいたるところにある“神猿(まさる)”を探して見るとよさそうです。神猿(まさる)というのは日吉大社の神使とされている猿のことです。どんな猿のモチーフがあるのかはこちらの公式HPを見ていただくと早いのですが、猿をかたどったものが境内にはあちこちにいますので、探してみるのも楽しいでしょう。

なお、今回の日吉神社のモデルルートでは有名な7社を紹介しましたが、実際にはさらに多くの小さな社があります。体力に自身がある場合には中7社・下7社を合わせた日吉二十一社全部に参拝することを目指してみて下さい。

 

日吉大社に来たら必ず見ておきたいポイント

日吉大社は神社そのものが全国に3,800余りある日吉・日枝・山王神社の総本宮ですので、神社としての見どころもたくさんあります。

日吉神社で特徴的なのは山王鳥居です。山王鳥居は日吉系神社でしか見られない様式で、明神式鳥居(稲荷神社の稲荷鳥居のような形のもの)の上に三角形の破風がついた独特の形をしています。紅葉シーズンには、この鳥居の向こうに紅葉が見えますので、鳥居を通して紅葉を撮るのが人気になっています。

また日吉神社の東西本宮本殿も一般的な神社とは建築様式が異なります。日吉造(ひえづくり)と呼ばれるこの様式は、建物の背面を切り落としたような形式の平入入母屋造りです。これは背面方向にある比叡山をご神体と考えているからだとも言われています。

また山王祭は4月に行われる日吉大社のお祭りです。平安京を造営した桓武天皇が神輿を寄進したことに始まるこの祭りは、御子神誕生を祝う勇壮かつ華やかなものとなっています。

日吉大社に来たら一緒に訪ねてほしい場所

日吉大社に訪れたついでに立ち寄って欲しい近隣スポットとしてはこちらがあります。

  • 西教寺:明智光秀の菩提寺
  • 日吉東照宮:日光東照宮の雛形になったとも言われる日吉大社の末社

日吉東照宮は末社と書きましたが、日光東照宮や北野天満宮で用いられている権現造りの社殿の発祥とされていますので神社の建築様式を楽しみたい方にはオススメのスポットです。

また明智光秀の縁を追うのであれば、日吉大社から琵琶湖に向かって歩き、坂本城址公園に訪れてみてください。坂本城は現在お城はありませんが現在は琵琶湖畔の公園として整備されており、明智光秀の銅像も立っています。日吉大社からは徒歩30~40分くらいですので、もみじ祭りの帰りにでも城址公園に立ち寄って、450年前の水城に思いを馳せるのも良いものですよ。

その他、日吉大社とゆかりのある唐崎神社に向かうのも良さそうです。湖西線に乗って唐崎駅で下車すればすぐです。

日吉大社を中心に滋賀の紅葉と歴史を楽しんでください

日吉大社は歴史も紅葉も有名な神社ですが、とても境内が広くて散策するにはもってこいのスポットです。

日吉大社周辺をめぐるとなると、適度な散策の距離があるので、お出かけスポットや紅葉狩りするにはちょうどよいエリアです。

明智光秀の縁を巡ったり、神社仏閣巡りをしながらちょっとした登山気分を味わうのも楽しそうです。

日吉大社の魅力を満喫してくださいね。

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