丹波・高山寺は紅葉の穴場~見事な古刹は明智光秀とも縁が深い

丹波・高山寺は寺院・神社部門と紅葉の名所部門の両方で丹波市観光100選にも選ばれている寺院です。

特に丹波・高山寺は紅葉が非常に美しく、書籍の「日本の絶景さんぽ旅2019」や「一度は行きたい日本の絶景 秋冬編」などに度々特集されていますが、丹波の高山寺は市街からやや離れた場所にあるため、観光地としては穴場です。

紅葉をゆっくりと愛でたい、鎌倉時代の仏像や仏教美術に触れたいという人には、ぴったりの場所なので一度訪れて見てはいかがでしょうか。

高山寺は丹波の紅葉めぐりの穴場で歴史も深い寺院

高山寺は丹波市氷上町奥常楽にある寺院です。元々は弘浪山頂にありましたが、昭和33年に現在の地に移築されました。
鎌倉時代の阿弥陀如来像や三千仏掛軸、両界曼陀羅図などの文化財を多数所有し、朱塗りの山門が一際美しいと評判です。また、山門から本堂まで続く参道にテンモクカエデがたくさん植えられており、秋になると見事な紅葉が楽しめます。

丹波の高山寺は、特に紅葉の最盛期に山全体が美しい赤色に染まり、その様子は一見の価値ありです。


高山寺には本尊の十一面観音像をはじめ、仏像が多数安置されています。戦国時代、織田信長の命を受けた明智光秀が「丹波平定」の為に起こした戦により高山寺が焼失した際、僧侶達によって仏像だけが運び出されたという逸話が残っています。

高山寺へのアクセスと見所情報

見所時期 紅葉:11月上旬~中旬
(紅葉では特に美しく紅葉する植物はテンモクカエデとモミジです。)サザンカ:11月下旬
場所 兵庫県兵庫県丹波市氷上町常楽50-1

アクセス方法 高山寺へのアクセス方法は「JR石上駅」より車で10分、北近畿豊岡自動車道「氷上IC」より車で15分、駐車場は山門前にあります。

JR石神駅から高山寺へ直通するバスは出ていないので、タクシーを利用してください。(紅葉の時期は駐車場が混み合いますので、紅葉の時期は電車でJR石上駅まで行き、そこからタクシーを使うのもおすすめです。)

料金等 護持保全金:200円(志納)
公式HP 丹波 高山寺facebook(@tanba.kosanji)
https://www.facebook.com/tanba.kosanji/
補足情報 毎年11月3日には山開きが行われます。

なお御朱印もいただけますが、紅葉の時期になると土日祝日は書き置きのものになることが多いようです。また、オフシーズンの平日も寺院に人がいない場合は書き置きの御朱印となります。

 

訪れるときの服装・荷物など注意点

高山寺がある丹波市は兵庫県内の山間部に位置しています。ですから神戸市と比べると気温が低くなりがちです。市街を歩く時より暖かい服装をしていくといいでしょう。

また、紅葉の季節(秋)は朝晩の気温差がはげしい時期です。午前中は肌寒くても昼頃になると気温が高くなることもあります。重ね着をして脱ぎ着できるようにしておくといいでしょう。

高山寺境内は石畳が多く、細かい段差もあります。足下はスニーカーなど歩きやすく足首をしっかりと支えてくれる靴がおすすめです。荷物はできるだけ少なく、汗拭きタオルやペットボトルなど最低限にするといいでしょう。この他、アメやチョコなどちょっとした糖分補給ができるものがあると、疲れが取れます。

比較的空いている時期・曜日・時間帯

高山寺は丹波市観光100選に選ばれており、近年は紅葉の美しさがインスタグラムなどで紹介されることも多くなっているため、紅葉時期の土日は混雑することも多いでしょう。カメラ三脚やカサ、杖などを持ち歩くときは注意してください。

また混雑を避けるなら、平日の午前中がおすすめです。紅葉を写真撮影したいという人はこの時間帯に訪れるようにしましょう。

なお紅葉の季節以外に、青紅葉の季節も非常に綺麗です。

山寺は新緑と朱い山門のコントラストも有名です。初夏の時期も土日は混むことがあります。
しかし、紅葉の時期ほどではないので、土日に足を運ぶ場合は午前中、もしくは夕方に行くとゆっくりと散策や写真撮影を楽しめるでしょう。

丹波・高山寺周辺のお食事処・休憩場所

高山寺は市街からやや離れた場所にあります。トイレは山門前の駐車場にあり、ちょっとした休憩ができる椅子もありますが、しっかりと休みたいという場合や食事をしたいというときは少し離れた場所まで移動する必要があるので注意しましょう。

地元の人に人気の飲食店には、「あずまや屋」や「嵯峨野」があります。どちらも町の定食屋さんという雰囲気のお店ですが、あずま屋は和洋中華とメニューが豊富なのでお子様連れの方にも人気です。嵯峨野の方が雰囲気が大人っぽいので、静かな場所でゆっくり食事を楽しみたいという場合はそちらを利用しましょう。

また、氷上ICの近くには氷上パーキングエリアがあり、休憩、トイレのほか軽食コーナーもあります。高山寺に車で訪れる場合は、そこでトイレや休憩を済ませてから向かってもいいでしょう。特に、紅葉の時期は市街から高山寺に至る道も混み合います。ここでしっかりトイレや休憩を済ませ、必要ならば軽食も買っていくといいですね。万が一渋滞に巻きこまれたときも慌てずにすみます。

丹波・高山寺の歴史とゆかり

丹波市氷上町の高山寺は、「弘浪山 高山寺」ともよばれ、747年に法道仙人によって弘浪山頂に開基されました。その後、一時廃れていましたが、鎌倉時代になると源頼朝が東大寺住職俊乗坊重源に命じて復興させます。高山寺の建築に三手先の組物や、通し貫などに東大寺様式が見られるのはこのためです。

時代が下り戦国時代になると高山寺は寺院から寺院城郭となり、「高山寺城」となります。高山寺城は氷上を治めていた赤井直正の庇護を受け、彼の拠点となった黒井城を守る城砦群の1つとなりました。ですが織田信長の命を受けた明智光秀が丹波平定を目指して、この地で赤井直正と戦争をした際、高山寺城も丹波攻略の戦闘に巻きこまれ、高山寺(高山寺城)は明智光秀によって焼かれて焼失してしまいます。

その後、1600年に高山寺城は高山寺として再度復興され、昭和33年に奥常楽に移るまで弘浪山頂で人々の信仰を集めていました。
なお弘浪山頂には高山寺城だったあとは、現在遺跡として石垣や仁王門址・本堂址などが残っています。城跡は山上にあり、あまり整えられていませんが、史跡巡りが好きな方はそこまで足を伸ばしてもいいでしょう。

高山寺を楽しむモデルルート

高山寺は紅葉の時期、特別拝観として本堂内陣を9時~16時まで公開しています。紅葉と共に高山寺の歴史を存分に堪能したい人は、ぜひこの時間帯に訪れましょう。

ゆっくり紅葉を楽しむモデルルートとしては、朝9時に高山寺に到着できるようにします。山門をくぐり、紅葉のトンネルを抜けて本堂へと向かいましょう。紅葉にすっぽりとくるまれるような心地がして、とても美しいものです。

本堂に到着したら、内陣を見学する前に歴史ある外観も鑑賞しましょう。その後内陣を見学したら、ゆったりと境内を散策してください。高山寺は境内が広く、散策には時間がかかります。特に、紅葉の美しい写真を撮りたいという場合は時間に余裕を持つことがおすすめです。

また時間と体力に余裕がある方は、約3km南にある弘浪山の中腹にある移転前の「高山寺城」の史跡まで足を伸ばしてもいいでしょう。

高山寺に来たら必ず見ておきたいポイント

高山寺で必ず見てほしい場所は、朱塗りの山門です。正式名称を仁王門と言い、指貫や組木に東大寺様式が見られます。


また、天井には龍の絵が描かれているので、見上げながらくぐりましょう。

山門をくぐり抜けるとテンモクカエデと紅葉のトンネルが本堂まで続きます。参道の脇に立つ石灯籠との組み合わせも美しく、まさに絶景といっていいでしょう。ここは絶好の撮影スポットでもあるため、土日は混み合います。

山門と紅葉の組み合わせ、紅葉と石灯籠、参道の石畳との組み合わせを撮影したい場合は、平日の午前中を狙いましょう。
現在の高山寺の建物は、すべて1600年以降に建て直されたものです。しかし、ご本尊をはじめとする仏像は鎌倉時代からのものもあり、明智光秀がしかけた丹波平定の戦から難を逃れたものもあります。

紅葉の時期は特別に内陣が公開されているので、仏像を拝観しながら戦国の世に思いをはせてみてもいいでしょう。なお、御朱印は事務所で配布しています。

高山寺に来たら一緒に訪ねてほしい場所

高山寺を訪れるならば、他の紅葉の名所を訪れてみるとよいでしょう。

丹波市観光協会では「丹波もみじめぐり」と称して紅葉が美しい寺院を10か所、紹介しています。webサイトからマップもダウンロードできるので、ぜひ利用してみましょう。時間がなくて10か所も回ることができないという場合は、丹波紅葉三山と呼ばれる高源寺・永谷山 円通寺石龕寺を巡ってみてください。この三つの寺院は、紅葉の美しさもさることながら明智光秀の丹波攻めの舞台となった場所です。三つの寺院を結ぶ道すがらにはコスモス畑もあります。

丹波・高山寺で日本の風景と歴史を感じてくださいね

丹波・高山寺は紅葉の穴場スポットなので、紅葉をゆったり楽しみたい方・写真を楽しみたい方におすすめの寺院です。

更に2020年大河ドラマで注目される明智光秀の史跡を感じられるスポットとして、今後ますます注目されることが予想されますので、ゆったりとした旅程を組みながら散策を楽しんでみてくださいね。

また、永谷山 円通寺では毎年11月の第二日曜日には「もみじ祭」が開催されるので、丹波の紅葉狩りツアーとして丹波後に宿泊して季節を感じる旅をするのもおすすめです。

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