丹波・円通寺|紅葉が名所の古刹は明智光秀の丹波攻略を免れた寺院

丹波には「永谷山円通寺」という古い寺院があります。

永谷山円通寺は美しい紅葉で有名ですが、それ以外に歴史背景も古い寺院で、600年以上の歴史を持つ寺院でありながら、明智光秀の丹波攻略で多くの寺院が消失する中、特別に焼失を免れた有名な寺院でもあります。

この記事では、丹波「永谷山円通寺」の魅力を歴史やおすすめの観光ポイントを交えながらお伝えしていきますので、今年の観光スポットの候補に入れてみてください。

丹波「永谷山円通寺」は創建六百年の寺院~明智光秀の戦火を免れた有名なお寺

丹波市氷上町にある「円通寺」は、四季折々が楽しめる寺院ですが、特に紅葉の名所として知られています。円通寺は「丹波紅葉三山」の1つに認定されており、紅葉が美しくなる11月には「円通寺もみじまつり」が開かれます。この時期には多くの観光客が円通寺に訪れ、紅葉の美しさを眺めたり紅葉狩りを楽しんでいます。


丹波の永谷山円通寺は、約600年以上の歴史を持つ禅宗の古刹で、その長い歴史の中で様々な局面を迎えました。古刹というのは、歴史ある古い寺に使われる表現で、円通寺はまさに由緒正しい古刹なのです。

永谷山円通寺はもともと南北町時代、室町幕府初の征夷大将軍である足利尊氏が創建した寺院で、江戸末期に至るまで丹波や但馬、播磨、攝津にかけて君臨していました。そして、かの有名な明智光秀の丹波攻略を逃れた寺院としても有名で、足利尊氏や織田信長、明智光秀と歴史の上でゆかりの深い寺院でもあります。

2020年のNHK大河ドラマ「麒麟がくる」は明智光秀を題材としていますので、円通寺の紅葉を眺めながら、戦国武将として波乱万丈の生涯を送った明智光秀に思いを馳せるのも良いのではないでしょうか。

円通寺へのアクセスと見所情報

見所時期 紅葉:11月上旬~11月下旬
※春はイトザクラ、夏はアジサイやスイレン、秋は紅葉、冬は雪景色を楽しめます。
場所 兵庫県丹波市氷上町御油983

アクセス方法 電車の場合は、JR福知山線「石生」駅から路線バス「佐治・青垣住民センター」行きの神姫グリーンバスに乗り、「幸世橋」で下車してから、徒歩で約15分。

タクシーを利用する場合には、「石生」駅から約15分。

車の場合は、北近畿豊岡自動車道氷上ICより約10分。

料金等 拝観料(入山料)無料
※ただし紅葉時期のみ拝観料(入山料) 300円、中学生以下無料
公式HP 曹洞宗 永谷山円通寺
http://pleasantly.sakura.ne.jp/1Toppage.htm
補足情報 拝観時間は9:00~16:00です。

円通寺の近くには駐車場もあり、紅葉シーズンには駐車場への誘導もあるようです。

訪れるときの服装・荷物など注意点

円通寺は、駐車場から境内へと続く道が上り坂を歩くことになるので、歩きやすいスニーカーなどを履いていくことが大切です。手荷物も軽めにしておくと、観光の邪魔にはなりません。

兵庫県丹波市の秋は気温も涼しく過ごしやすいですが、秋風は冷たくも感じるので服装は、暖かなインナーを着、薄手のジャンパーなどを羽織っておくと良いでしょう。

紅葉シーズンなど大勢の観光客で混雑する時期の訪れる場合は、動きやすい格好を心がけ、引っかかりやすい長いショールなどは避けて首回りや肩回りはスッキリとしておくと良いでしょう。

他には、急な天候の変化に対応することが出来るように、折り畳み傘などを持参していくと困ることはないでしょう。

比較的空いている時期・曜日・時間帯

一般的な寺院と同じく、円通寺も平日であれば混雑していることは少ない傾向です。そのため、円通寺の紅葉を楽しみたい時には、平日訪れるとゆっくりと境内を楽しむことができます。

ただし紅葉が見頃を迎える時期である11月は祝日も多く、平日が少ないため訪れる時期をカレンダーでこまめにチェックしておくことも必要です。

また、1日の中で昼から夕方にかけての時間帯は混雑しやすい傾向です。紅葉を落ち着いて見たいなら円通寺が開館する朝9時から午前中、または門が閉まる直前の時間に訪れると良いのではないでしょうか。

円通寺周辺のお食事処・休憩場所

円通寺から徒歩で気軽に行ける範囲にはお食事処・コンビニはありませんので、公共交通機関で来る方は飲み物などは持参したほうが良いでしょう。また車でお越しであれば10~15分くらい走ったところにコンビニ・お食事処(カフェ・レストラン)が幾つかあります。

ただ、紅葉まつりの季節は地域の方が近隣で露天(屋台)を出していることがあるので、タイミングが合えばそちらで食事することもできます。

通常のシーズンで食事ができるカフェ・レストランは、氷川ICや石生駅周辺に多くあります。

例えばアットホームな外観と落ち着いた店内の雰囲気を楽しめるカフェ「cafe ma-no(カフェ マーノ)」、優しい色合いと広々とした店内になっていて美味しいランチやディナーを提供している洋食屋「森のレストラン あれっと」、添加物不使用のこだわり手打ちうどん・そば「いずも庵」などお食事処が揃っていますので立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

お手洗い(トイレ)の場所

円通寺にもお手洗い(トイレ)はあります。ただし寺院の周辺は徒歩圏内にコンビニ等がないため、散策しながらくる方は事前にカフェやレストラン、コンビニ等でトイレを済ませてから訪れるほうが安心です。

 

丹波・永谷山円通寺の歴史背景とゆかり

永谷山円通寺は、永徳二年(1382年)に後円融天皇の勅命を受けた足利義満によって創建されました。600年以上もの長い歴史を持つ円通寺は、明智光秀ともゆかりがある寺院として知られています。

また、戦国時代には織田信長の命を受けた「明智光秀」により丹波攻略が始まった際、織田信長の中国攻略に伴い丹波攻略を行った際、数多くの寺社仏閣が焼き払われていきました。丹波の寺院も多くが焼き払われ、周囲の寺院や仏閣が焼き討ちにあっていますが、円通寺は明智光秀の「丹波攻略」の戦火を免れています。

当時、丹波攻略で明智光秀の戦火が目前に迫っていましたが、円通寺にもいよいよ明智軍勢が迫ろうとした時に、豪氏荻野喜右衛門が明智光秀の本陣へと出向き、円通寺を焼かないよう必死の説得を試みたそうです。その交渉の結果、円通寺は炎を免れることが出来、円通寺に暴挙慎みの令が出されました。円通寺には、その旨を記した明智光秀直筆の下馬札や禁制が遺されています。

丹波・円通寺の歴史を楽しむモデルルート

丹波・永谷山円通寺の紅葉モデルルートは境内をぐるっと周り、お寺の雰囲気を楽しむことです。

永谷山円通寺はこじんまりしたお寺なので、ゆっくりと散策してもめぐることができます。本堂に向かう石段を覆うタブノキ・楓のトンネルを抜けながら、池に映る景色の風情を楽しむ散策ができます。境内の景色はとても美しく、明智光秀が丹波攻略の時に円通寺だけ焼き払わなかったのは参道から境内へと敷き詰められた紅葉があまりに絶景だったことが関係しているのかもと思わされます。
また、花以外に青もみじも美しく、観光のオフシーズンなので人が少ない時期をゆっくり楽しむことができます。

また、丹波の永谷山円通寺は別名「四季彩の寺」よばれ、紅葉の季節以外にも四季折々の美しい季節が楽しめます。

最も有名なのは紅葉ですが、春は糸桜、夏が始まる6月中旬から7月上旬にかけては、青や白、紫といった鮮やかなアジサイが咲き誇り、訪れた人々を楽しませてくれますので、いつ訪れても四季を楽しめます。

丹波・円通寺に来たら必ず見ておきたいポイント

円通寺を訪れた際には、魅力溢れるスポットを見ることが出来ます。

山門の前にある方生池を覗き込むと鮮やかな紅葉が水面に映り、また違った美しさを堪能することが出来ます。また、丹波市の指定天然記念物である樹齢700年以上になる「円通寺大杉」や樹齢300年以上の「タブの木」、竹の上端に耳を当てると澄んだ音色を聴くことが出来る「水琴窟」などもありますのでそういった物を探して楽しむのも良いでしょう。

東の持国天、西の広目天に見守られながら山門を入ると、塀や瓦には初代、2代目の住職を務めた足利家の家紋「円に二円引きの紋」と、近衛家の家紋である「近衛牡丹紋」を見ることが出来ます。訪れた際には、家紋がどこに記されているのかを探してみるというのも良いのではないでしょうか。

丹波・円通寺に来たら一緒に訪ねてほしい場所

秋の紅葉狩りシーズンになると、円通寺だけではなく周辺にも紅葉が美しい名所があります。円通寺同様、丹波紅葉三山と呼ばれる石龕寺や高源寺の紅葉も多くの観光客で賑わっています。そして、丹波市には明智光秀に縁がある場所や、歴史的にも情緒あるスポットがたくさんあります。

たとえば、明智光秀の縁があり、かつ紅葉で有名な周辺の寺院としては、「石龕寺」や「高源寺」があります。

石龕寺(せきがんじ)」では山門に立つ重要文化財である金剛力士像を堪能することが出来ますし、「高源寺」では三重塔や本堂と紅葉の美しいコラボレーションが楽しめ、それぞれ違う風景を楽しむことが出来ます。また、「丹波・高山寺」は絶景の紅葉スポットでですが奥まった場所にあり比較的空いています。

丹波・円通寺周辺はすこし足を伸ばせば様々な仏閣も多いため、じっくりと時間を取って散策すれば仏閣と鮮やかな赤や黄色の色彩を楽しむことが出来ます。

丹波・円通寺で歴史と日本の風景に触れてみてください

この周辺の寺院は非常に古い伝統があった寺院が多く、かつ明智光秀の丹波攻略での戦火に揉まれていますので、歴史情緒を感じながら紅葉観光ができる素敵なエリアです。ぜひ観光の際には、その土地の歴史に触れてみるというのも、旅を楽しくする要素になるのではないでしょうか。

円通寺の境内を歩きながら、春夏秋冬で様々な表情を楽しむというのも良いですし、周辺の寺院を回りながら彩った紅葉をめぐり円通寺と違った趣を味わうのもよいでしょう。

また足が伸ばせるなら、丹波市内には古い町並みが残っているので、どこかノスタルジックな気持ちを感じられるかもしれません。

2020年には大河ドラマで丹波の寺院が注目され、人気スポットになる事も考えられますので、いち早く旅程を組んで素敵な旅を過ごしてくださいね。

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