玉雲寺(京都)で絶景の紅葉を楽しみながら明智光秀の歴史をめぐる旅

京丹波町にある玉雲寺は紅葉の時期が最も有名な禅寺です。

「京丹波」の「丹」とは赤色の意味です。丹波の名の由来は一説によれば、山々の輝かしい紅葉(丹)の色が夕陽と共に湖面(波)に映る様を表した言葉とのこと。

訪れてまず初めに迎えてくれるのが散りの映える石階段。山寺らしい静かな雰囲気に、厳かな楼門の迫力は歴史を感じさせてくれます。

 

紅葉も非常に綺麗で、 古刹の玉雲寺と紅葉のコントラストが非常に美しいお寺です。古くから玉雲寺に映える紅葉の美しさは人々を魅了してきたんですね。

この記事では京丹波にある玉雲寺の魅力についてお伝えしていきます。

 

京都・玉雲寺は丹波の紅葉めぐりの穴場で明智光秀との歴史も深い寺院

玉雲寺は応永23年(1416年)に創建された丹波屈指の曹洞宗の禅寺。

かつては滝壷のすぐそばに建っていたそうですが、天正7年(1579年)に織田信長の命による明智光秀の市森城攻撃のため、建物から宝物にいたるまでそのほとんどは焼失してしまいました。現代の境内、本堂などは光秀が母の菩提寺として天正8年に再興したものです。光秀の位牌も祭られており、明智からの文書も残っているそうです。

また、程近い場所には琴滝があり、滝壺へ通じる左手側の山は古戦場として語り継がれています。

京都・玉雲寺へのアクセスと見所情報

見所時期 紅葉:11月中旬〜12月上旬
場所 京都府船井郡京丹波町市森滝見9

 

アクセス方法 電車:JR嵯峨野線園部駅からJRバス園福線に乗り換え「琴滝道」下車徒歩約20分。

車:京都縦貫自動車道丹波ICを福知山方面へ右折し、最初の信号を右折して5分程度です。(大型バスは通行不可)

料金等 拝観料については情報がありませんでした。
公式HP 京丹波町観光協会公式HP
http://www.kyotamba.org/玉雲寺ぎょくうんじ市森/
補足情報 紅葉の時期はその年によって終わりが早まることもあります。2019年では11月中旬〜下旬に見頃を迎えていましたので、11月中に行くほうが確実です。

 

訪れるときの服装・荷物など注意点

秋の京都は1日の中での寒暖差が非常に激しいのが特徴です。特に紅葉の時期、11月は上旬比較的暖かくても下旬になるにつれて冷え込む日が多くなってくると思われます。観光の際の服装に少し気をつけるだけで満足度が大きく変わってくるでしょう。

重ね着で寒暖調節できる服装がおすすめです。マフラー、ストールなら手軽に首元を保温してくれますし、かさばりません。

特に夜間の紅葉ライトアップ見学を予定しているなら、他に冬用のアウターの準備が必須です。昼間はおそらく不必要で街中を歩く際の荷物になってしまいますので、薄くて軽い素材のものを選んでおくと安心ですね。

比較的空いている時期・曜日・時間帯

もし紅葉の時期の予定に余裕があれば、比較的空いている期間に訪れてみるとまた違った景色が楽しめます。

おすすめは平日、しかも11月上旬もしくは12月上旬になります。京都の中でも、場所によって少しづつ見頃がずれていますので、あえて時期をずらすことで思いがけず美しい景色に出会えるかもしれません。

土日祝日でも混雑を避けるために、注目したいのは時間帯です。最も混雑が予想されるのは昼前9時頃から昼過ぎ14時頃まで。人の少ない早朝を狙うのをおすすめします。

お手洗い(トイレ)

玉雲寺から徒歩ですぐの琴滝には一息できるベンチや東屋の休憩所があります。屋根付きの場所なので日差しを気にせずのんびりできます。東屋からは琴滝公園が臨め、こちらも紅葉の景色を楽しめます。

トイレは玉雲寺で借りることができます。

京都・玉雲寺周辺のお食事処・休憩場所

玉雲寺周辺には道の駅、丹波マーケスがあり、こちらは元々スーパーマーケットだったものに道の駅機能を後から附加したサービスエリアです。500台以上停められる大型駐車場あり。曜日限定で開かれる朝市では地元の旬の食材が並び、本館内フードコートでは丹波牛や特産の黒豆等を使ったお料理が味わえます。

また、タクシーでの移動を検討されている方向けですが、丹波ワインハウスへ寄るのもおすすめです。丹波ワインは京都の食文化に根ざしたワインを1979年から造り続け、日本ワインの地位に大きく貢献しているブランドです。ワイン工場では醸造から商品化までの見学、試飲ができ、レストランでは各種ワインを丹波牛のお食事と共に楽しめます。

京都・玉雲寺の歴史とゆかり

玉雲寺は町指定文化財に指定されており、そのものが美術工芸品です。元々は応永23年(1416年)に太容梵清禅氏が丹波の地にて民に教示していた折、須知出羽守慶吉の慈請を受けて開山、創建された曹洞宗の禅寺。
教徒は多く活気の溢れる様子だったようです。

しかし天正7年(1579年)、織田信長から丹波平定の命を受けた明智光秀が須知城(市森城)攻撃の際、兵士と共に建物から宝物にいたるまでそのほぼ全てを焼失させてしまいました。その後、明智光秀は改めて梵清禅氏の道徳を尊重し、境内を1500メートル西南に移転した上で玉雲寺を再興しました。現代の境内、本堂、庫裏は天正7〜8年からのもの。現在開創600年超え。

岡山、宮城県などにも末寺(本山の支配下にある寺院)を有しています。その数なんと170余りにのぼり、曹洞の禅刹として全国的に有名です。

祭られている寺宝には、正法眼蔵底本、開山所持の肉付けの仏子、明智光秀の古文状、亀岡城主代々の書物等があります。

京都・玉雲寺を楽しむモデルルート

玉雲寺周辺の紅葉を堪能する為には順番が大切です。

というのも玉雲寺に着いてから徒歩が続きますので、できれば体力を温存する為に電車、バスを利用するとよいでしょう。JR園部駅から乗り継いで、JRバスの「琴滝道」下車徒歩約20分で玉雲寺到着です。入り口の石階段上から降り注ぐ紅葉の色で風情をたっぷり感じながら歩いていきましょう。足元には十分にお気をつけて。

特にサツキを中心とした本堂の庭園は見所です。境内にはツツジ、アジサイ、シュウメイギク、ツバキ等も植わっていますから年中花の色を楽しむことができます。

琴滝に向かうルートは東側にあります。冬にはLEDイルミネーションイベントが開催されますので、散策道から琴滝にかけて幻想的な雰囲気を味わいながら移動することができます。

琴滝からは小滝池公園に通じています。こちらも紅葉の見所です。琴滝の水源となっている小滝池の水面に映る赤色を見て、丹波の歴史に思いを巡らせてみてはいかがでしょうか。

こちらの東屋で休憩できます。時間に余裕があれば丹波マーケスで地元食材の料理を食べてみましょう。

京都・玉雲寺に来たら必ず見ておきたいポイント

駅からのアクセスの関係なのか、紅葉の時期でも玉雲寺は穴場と語られています。それだけに、京都の絶景ポイントとして必ず見ておきたいですね。全て真っ赤に染まった紅葉の華やかさも、散って足場を染め上げる美しさもじっくり見られればこそ。その上で、本堂の静けさを身に感じましょう。

紅葉の季節は石段の上に美しい朱色の紅葉が散り、風情ある景色を楽しむことができます。

2019年に京丹波町主催で玉雲寺にて、インバウンドの外国人客向けに座禅体験が開催されました。寺の歴史を説明した後、光秀が城攻めで燃やし再建した場所で行った座禅は、参加者の皆さんに貴重な体験として心に残ったそう。座禅の静寂は日本人、外国人問わず心に沁みるものですね。

玉雲寺の建物も日本建築ならではの風情を感じさせてくれます。

光秀が再建した本堂には釈迦如来が祀られており、本堂の裏手にある開山堂には椅子に座った聖徳太子の像が祭られています。椅子に座っておられる姿は大変珍しいので一見の価値あり。桜門は朽ちていながら当時を思わせる荘厳さがあります。ひっそりと祀られる明智光秀の位牌は、この地を訪れる方の注目の的です。

京都・玉雲寺に来たら一緒に訪ねてほしい場所

玉雲寺に訪れたら、周辺の紅葉スポットなどを巡ってみるのも良いでしょう。

京都府南丹市にある龍穏寺もまた、玉雲寺と同様隠れた紅葉の名所といわれています。しかし、観光寺院ではないため訪れる際は事前に連絡が必要です。埼玉県にも同名の寺院があるので検索の際はご注意下さいね。

電車でのアクセス方法はJR園部駅から京阪京都交通バスに乗り換え、「船阪」駅下車、徒歩約10分で到着です。

また、明智光秀繋がりでのスポットをお探しの方には須知城跡(別名、市森城跡)はいかがでしょう。玉雲寺の正面から全景が見えます。ただ、足場がほぼ整備されておらず散策には向かないとのことなので安全のために踏み込むのは遠慮しておきましょう。雄大な景色に室町時代への思いを巡らせてみてください。

 

京都の玉雲寺で歴史散策と紅葉を楽しんでくださいね

京都・玉雲寺は紅葉もきれいですし、歴史好きな方にも満足してもらえるようなエピソードや風情のある仏閣の建物が楽しめるスポットです。

京丹波は玉雲寺以外にも紅葉の名所が数多くありますので、秋のゆったり旅で立ち寄るスポットの一つに添えてみてくださいね。

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