滋賀県にはたくさんの観光スポットがありますが、近江神宮も外せない名所です。
百人一首かるたにゆかりのある近江神宮は、毎年かるたの祭りが開かれ、古き良き日本の伝統文化に触れることができるのです。また、神社特有の厳かで華やかな雰囲気の中、我が国の長い歴史を学ぶこともできます。もちろん、神社の近くで美味しい食事を楽しむこともお忘れなく。
そんな魅力のつまった近江神社の観光情報をまとめましたので、ぜひご覧ください!
古き良き日本の伝統を楽しみたい方は近江神宮のかるた祭・かるた開きの儀に出かけよう!
近江神宮は、飛鳥から近江に都を移した天智天皇を祭神とする神社で、周辺には美しい山々や琵琶湖がある風光明媚な場所です。小倉百人一首の巻頭に天智天皇の歌が記されていることから、かるたの殿堂と称され親しまれています。
かるた祭「かるた開きの儀」とは、これにちなんで毎年近江神宮でお正月に開催される恒例行事です。朱塗りの楼門や巨大な外拝殿は訪れた人々を圧巻し、内拝殿の奥にある近江造りの本殿では、采女(天皇や皇后の食事の世話をする女官)装束姿の女性達が優美にカルタをとる様子を楽しむことができます。
競技かるた体験や名人位戦の部屋を観覧できるなど、当時の王朝のみやびな世界観や古来日本の伝統をイメージするにはもってこいの場所です。近江神社かるた祭の後は、高松宮記念杯近江神宮全国競技かるた大会が催され、全国から1000人以上のかるた選手が集まり熱戦を繰り広げます。着物や袴のレンタルもあり、和服に着替え境内を自由に散策できるのも魅力です。
近江神宮かるた祭 イベント情報2020
見所時期 | 1月6日 9:00~ |
場所 | 〒520-0015 滋賀県大津市神宮町1−1−1 近江神宮神座殿(かみくらでん) ※一般客の参列・観覧自由 |
アクセス方法 | 近江神宮前駅下車 北西へ徒歩約10分 |
料金等 | 観覧:無料 参加:大会参加費E級の部(初心者)1200円※事前申込が必要 |
公式HP | 近江神宮 かるた祭 http://oumijingu.org/publics/index/125/ |
補足情報 | なお、前日の1月5日には、かるた名人位・クイーン位決定戦が開催、6日はかるた開き後にAB級かるた選手権、13日はCDE級かるた選手権が開催されます。 |
訪れるときの服装・荷物など注意点
近江神宮を訪れるときの服装は、歩く時間が長いのでできるだけ身軽な格好が良いです。会場までは距離が長いだけでなく、階段や坂道を上ったり下ったりしなければいけません。裾が長い洋服やヒールのある靴は、転んだりして怪我をする心配があります。
寒い季節ですが、会場内は暖房が入っているので、室内で脱ぐことを想定して着脱できる上着などを用意しておきましょう。荷物は、できるだけ量を減らし、軽くしておくことが大切です。途中で土産店などもあるので、持ち物は必要最低限にしておきましょう。
見やすい時間帯・訪れるタイミングなど
1月6日は、近江神宮へ全国各地からかるたファンが訪れます。神事のかるた祭は9時~10時ころに始まりますが、当日はたいへんな賑わいが予想されるので、時間通りに到着しても混雑のため肝心のかるた祭りを見ることができなかったというケースも考えられます。
近江神宮の拝観時間は早朝6時からで、境内には朝早くから入ることが可能です。よく見える場所を確保するために、少し早めに到着して境内散策をしているとよいでしょう。
周辺のお食事処
近江神宮周辺で食事をするなら、境内駐車場前に「善庵」があります。季節の野菜をそば粉で揚げた天ぷらや蕎麦が人気のメニューで、寒い季節に体を温めることができます。
「三井寺力餅本家」は、びわ湖浜大津駅の目の前にあるお店で、そこから近江神宮へは県道47号を通って車で6分ほどの距離です。テイクアウトができ、朝7時からオープンしているので、神宮へ行く前に買ったり、帰りにゆっくり食べたりしてもよいです。口の中でとろけるような出来立てほやほやのお餅で、きなこたっぷりのお団子を抹茶と一緒にいただくと疲れがとれます。
「かねよ」は、近江神宮から東海道と県道47号を利用して、車で9分の場所にあるウナギ専門店です。キレイに手入れをされている庭園を見ながらゆっくりと食事をすることができるので、近江神社周辺の休憩処として人気があります。
お手洗い(トイレ)の場所
近江神宮のお手洗いは、駐車場を降りたすぐの場所に設置されています。女性洋式2つ・男性洋式1つで、スロープになっているので車いすでの利用も可能です。
近江神宮の歴史とかるた行事との縁
滋賀県大津市に位置する近江神宮の南には、日本一の面積を誇る琵琶湖が広がります。大津は、奈良や京都・鎌倉と並び古都が置かれた場所で、西暦667年に天智天皇が飛鳥から大津へ都を移して以来、東海道最大の宿場町として繁栄を極めます。
大化の改新に基づいた政治改革と唐・新羅連合軍の本土侵略の危機を逃れることが遷都の目的で、交通の要衝である近江で国土防衛の根幹を築こうと考えられたのでした。その後起こった壬申の乱で天智天皇の都は5年半で終わりますが、対峙していた天武天皇が天智天皇の施策を引き継ぎ近江の地を発展させていきます。
近江神宮が創建されたのは1940年(昭和15年)で、神社の歴史としては比較的新しいものの、古くから近江一帯は天智天皇への崇敬が厚く、天皇が都を置いた時から数えると1350年の歴史があります。明治時代、近江や全国の天智天皇崇敬者の創建運動が高まりを見せ、昭和に入ってからは天皇の勅使を受けたことを機に御祭神として祀られることになります。
天智天皇は政治以外にも水時計など学芸文化の創造発展に力を尽くし、平安宮廷の中でも特別崇敬される存在となりました。また、鎌倉時代に天智天皇の御製が小倉百人一首の巻頭に置かれることになり、歌かるたの祖神として国民に親しまれるようになります。そのため近江神宮では、天智天皇にちなんで毎年近江神宮かるた祭が開催されるようになりました。
観光名所としてなぜ注目されているのか?
近江神宮の中には近江勧学館があり、かるたの名人位・クイーン位戦や全国高等学校かるた選手権大会が開催され、毎年1000人を超すかるた選手が激戦を繰り広げます。
近江神社の競技かるたは高校生のコミックやTVアニメ化され、映画の「ちはやふる」のロケ地として全国的に有名になりました。かるた選手だけでなく、映画を見てかるたファンになった人にとって、近江神社はかるたの聖地としてあこがれの的になっています。
競技かるたに没頭する主人公の熱い姿勢や歌詠みの優雅な響きなどが人気で、古き良き日本の文化や世界観を体感できる近江神宮に聖地巡りに訪れる人が増加しています。映画の世界に入り込みたいという方には、着物・袴のレンタルも行われており、登場人物になりきって敷地内を散策できます。
必ず見ておきたい見所
近江神社で1月6日に開催される神事・かるた祭りは、登録有形文化財に指定されている歴史的建造物・神楽殿の中で開催されます。建物の周りは日本情緒豊かな庭園や風情ある灯籠などがあり、心を和ませることができる雰囲気です。
かるた祭は一般の人も無料なので気軽に参観でき、かるたの優美な歌詠みを聞くだけでも、当時の宮廷の優雅な生活をイメージすることができます。
また、実演では「秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ わが衣手は 露にぬれつつ」という天智天皇の歌が神前に向かって朗読され、4名の采女装束を着用した女性がゆったりとかるたを取り合う様子が見られます。かるたをまったく知らない人も、近江勧学館で実際に競技かるたの基礎を体験することが可能です。
名人戦・クイーン戦や高校選手権大会が行われる同じ場所で体験できるので、臨場感を味わいながらかるたを思う存分楽しめます。
近江神宮と一緒に訪ねてほしい場所
近江神宮周辺には、その他にも訪れてほしいお寺や遺跡などの人気の観光スポットがあります。
まずは延暦寺。標高約900メートルの場所にある天台宗の総本山で、国宝に指定された建造物もあり、山頂からは琵琶湖や周辺の市街地を眺めることができます。比叡山ドライブウェイと下鴨大津線を利用して車で15分の距離です。
近江神宮時計館宝物館は、天智天皇が水時計を作ったことにちなんで、日本の時計博物館として1963年に建てられました。江戸初期の懐中時計などのたくさんの時計や、古代日時計などが展示されています。敷地内には漏刻など昔の時を図る仕組みの模型が置いてあり、時間を学ぶことができる施設です。京阪電車近江神宮駅から徒歩5分の場所にあります。
その他にも、県道47号を琵琶湖に沿って下ると、1100年以上の歴史を誇る三井寺などの神社仏閣や、大津市の歴史博物館などの観光スポットがあります。周辺には、名産品の販売所も多く、大津港マリーナなど琵琶湖クルーズの乗り場もあります。
近江神宮で古き良き日本を感じてください!
近江神宮は、古来日本の姿を今に残す貴重な神社。
そこで昔の人が過ごしていた優雅な時間に思いを馳せながら、日本の伝統文化に触れてみてください。
きっとステキな体験になりますよ!
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