滋賀県最大の観光スポットである琵琶湖には、たくさんの楽しみ方がありますが、疏水(そすい)クルーズという楽しみ方はいかがでしょうか?
琵琶湖疏水(びわこ そすい)とは、明治維新後、人口が減少し衰退した京都に琵琶湖から水を引き、その水の力で産業を復興を目指して作られた水路です。この疏水を船で巡る旅は、季節ごとに移り変わる景色とともに多くの歴史的建造物を楽しめるコースとして大変人気があります。琵琶湖疏水クルーズを知れば、きっと琵琶湖の楽しみ方が1つ増えることでしょう。ぜひ参考にして下さいね!
桜や紅葉を楽しめる!歴史遺産の琵琶湖疏水で風情ある水路の旅を体験しよう!
電車など公共交通機関を使ってゆったりとした旅をしたいというときに、滋賀・琵琶湖方面への旅行・お出かけを考えることがありますよね。中でも琵琶湖疏水周辺は、思う存分日本の和を堪能できるスポットです。
近くには明智光秀が妻を葬った寺である西教寺や歴史のある文化遺産が多く存在していて歴史を感じることができますし、クルーズ船に乗れば、水路周辺で春には桜がそして秋には紅葉など絶景が楽しめます。また、クルーズや乗り場周辺には食事処・休憩スポットがあるので、家族との思い出を作りつつ自分自身も普段味わえない非日常を体験することができます。
この記事では、琵琶湖疏水の歴史に触れつつ、クルーズ詳細とそれぞれのルートで体験できる見所を紹介します。
ぜひお役立てくださいね!
琵琶湖疏水クルーズの概要(所在地・クルーズ内容)
人気の時期 | 春(3月下旬~6月上旬) 秋(10月上旬〜12月上旬) |
運行エリア | 大津エリア、山科エリア、蹴上・岡崎エリア |
乗り場アクセス | 乗り場や近辺には駐車場がないので、電車などの公共交通機関を使ったアクセスが便利です。
琵琶湖疏水船(大津閘門)乗下船場:京阪・三井寺駅から徒歩約2分(大津) 琵琶湖疏水船 山科乗下船場:京阪・四宮駅から徒歩約10分(山科) びわ湖疏水船(京都山科乗り場):地下鉄・蹴上駅 1番出口から徒歩約5分(蹴上) |
料金等 | 大津~蹴上(フル区間):4000~8000円/片道・人 大津~山科:2000~3500円/片道・人 山科~蹴上:2500~4500円/片道・人乗船料金には通常料金・繁忙期(土日祝)・トップ期の3区分あり、完全予約制・片道ずつしかチケットを取れないので、注意してください。 |
公式HP | びわ湖疏水船 公式 http://www.biwako-sosui.jp/information/ |
補足 | 琵琶湖疏水船クルーズは非常に人気でチケット予約が取りづらいため、希望の日程でチケットが取れない場合は旅行各社のパッケージツアーも検討するとよいかもしれません。 |
乗り場周辺には、「琵琶湖疏水記念館」があり休憩スポットとして利用することができます。入場料無料なので気軽に立ち寄ることができますし、中には琵琶湖疏水の記念物が展示してあるので、疏水の歴史や周辺施設について詳しく知ることができます。
開館時間は、9:00から17:00なので、クルーズの前後に入れば、より楽しみも増すことでしょう。
空いている時期・曜日・時間帯など穴場情報
桜の見ごろの時期や紅葉の季節が過ぎた6月や、11月下旬から12月上旬は比較的空いているため、平日・土日ともスムーズに予約ができます。ただし、平日の火曜と水曜日は運行自体がお休みとなるので注意してください。一人で乗る場合は、混雑する時期でも席が空いている場合があるので、HPをこまめにチェックするといいでしょう。
コースは、上り便が1コース、下り便が2コースとなっていて、時間帯は9:00から15:50まで、上り便より下り便の方が一時間遅くまで運行しています。
クルーズに参加するときの服装、荷物など
乗船時間は約55分、下船後にガイドの案内が10分から15分ほどあります。スーツケースなどの大きな荷物の預かりはできませんので注意してください。
このくるーずでは、途中でトンネルを通り抜けるのですが、中の気温は地上より約五度低下します。
体調を崩さないために、コートやウェアなどの服装が良いでしょう。船には屋根がついているのですが、雨が降ったときは前方や隙間から水滴が入ってきて濡れてしまうことがあるのでレインコートなどを用意しておいた方がよさそうです。
ただし、船内は狭く他の乗客の迷惑にならないために雨具の使用は禁止されているので注意してください。
また、三歳未満の幼児は、保護者の膝の上に乗っていれば料金無料で乗船できます。
船内・乗り場周辺のお食事処・休憩スポット
琵琶湖クルーズの時間はおおよそ55分〜60分程度かかりますが、船内にはトイレ等がありません。そのため、を事前にトイレすませておくと安心です。
少しお腹が減ってご飯を食べたいという場合には、記念館周辺の食事スポットを探すと良いでしょう。付近には食事スポットが多く、湯豆腐などの日本料理や京都料理を堪能できます。
疏水線クルーズ 各コースの見所
大津~山科間
疏水クルーズの運行ルートのうち、大津~山科間では、日本初のレンガづくり閘門である大津閘門を見ることができます。1890年に作られた洋式の閘門では、明治時代の風情を感じることができます。
また、阪神淡路大震災をきっかけに、大地震で堤防が決壊した場合に洪水が起こらないようにするために作られた緊急遮断ゲートも見どころの一つです。1999年にできたゲートは、赤レンガと石造りの土台で支えられており、重厚感のあるどっしりとした印象で、水をせき止めるのも簡単だろうと思わせる迫力があります。
建造物だけではなく、自然が豊かなのも大津〜山科間の特徴です。2436メートルもの長さに及ぶ第一トンネルの入り口周辺は、春には桜が咲き誇り秋には紅葉が美しい観光スポットで、疏水クルーズでは間を通り抜けるので、自然の名所を楽しむことができます。日本の初代内閣総理大臣である伊藤博文が「氣象萬千」と、さまざまに変化する風景の素晴らしさを絶賛したほどの趣が感じられます。
山科~蹴上間
全長約20キロもある第一トンネルを抜けると滋賀から京都、山科〜蹴上へ入ります。このルート間での見どころは、春は桜、夏は青紅葉、そして秋は赤々とした明るい色がつく紅葉です。
ちなみに青紅葉とはまだ紅葉する前のカエデのことで、初夏の青々とした葉が特徴です。
また、毘沙門道の山道と疏水の交差する場所にある安朱橋、四ノ宮舟溜、洛東高校の前、本國寺正嫡橋の4箇所には桜や紅葉の木が立ち並んでおり、華やかな景色を堪能しながらクルーズを楽しめます。本國寺は金色の装飾で彩られた珍しい寺院であり、鐘や門も金色なので、絶好の写真撮影スポットとして人気があります。
春にはピンク色の桜が舞い散り、秋には赤やオレンジの紅葉が並ぶ中を船で通り抜ける様は、さながら平安時代の貴族にでもなったような気分になれます。自然や歴史が有名な京都でクルーズを楽しみながら、昔に思いをはせて、非日常を味わうのも風情があって素敵ですよね。
琵琶湖疏水クルーズの歴史・コンセプト
琵琶湖疏水は、滋賀・琵琶湖から京都まで物資を運搬して京都を活気づかせることを目的に着工が始まり、1890年に完成しました。明治時代の最新技術を投入して作られた水路のおかげで京都の街は賑わい、遊覧船も運行していました。
運行は1951年に中止されていましたが、2018年春、京都市が「明治150年」を記念したプロジェクトの一環として再運行を決定し、実に67年ぶりに琵琶湖疏水に遊覧船が運行することになったのです。
明治時代の歴史や絶景を楽しむことができるため、クルーズの時期には予約が殺到、実際にクルーズを体験した人たちの間では、「哲学の道よりも緑が多くて楽しめた」「桜がとてもきれいで風情を感じられた」「ガイドさんの説明がとても丁寧で55分のクルーズだったけれど飽きなかった」「明治時代の大事業の歴史や人々の苦労がしみじみと感じられた」など好評です。
運行時期は春と秋ですが、桜と紅葉に注目して乗っている方、明治時代の歴史に想いをはせている方など、思い思いの楽しみ方ができるのが疏水線クルーズの魅力といえます。
他にも一緒に訪ねてほしい場所
大津・蹴上周辺のオススメスポットは、臨済宗を宗派とする南禅寺です。臨済宗は中国の禅宗の一つで、座禅によって悟りを得るという考えを持っています。座禅会や写経会を定期的に開催しているので、旅の思い出に参加してみると和の気分を味わうことができるでしょう。
また、南禅寺の境内には国の重要文化財に指定されている勅使門や、国指定の名勝になっている枯山水庭園の方丈庭園もあるなど、歴史的建造物も豊富です。
さらに、南禅寺入口には蹴上インクラインがあります。インクラインとは、貨物を運ぶために傾斜面にレールを引いた設備のことで、蹴上のものは国の史跡に指定されているほど有名です。
見どころは、約580メートルの間に植えられた約90本にも渡るソメイヨシノで、春にはピンク色のトンネルを抜けているような気分になれるみごとな桜並木を眺めることができるため、多くの観光客でにぎわいます。
山科で降船する場合は、毘沙門堂がおすすめの観光スポットです。毘沙門天を本尊とし、4月には花祭り、11月には紅葉祭りなど季節のイベントも多く開催されます。
ぜひ自然と歴史を楽しめる疏水クルーズへ!
今回は、疏水クルーズという琵琶湖の楽しみ方をご紹介しました。
湖の外周散策や湖内のクルーズももちろん魅力的ですが、疏水という歴史情緒あふれるコースもまた素敵な旅になることでしょう。
ぜひ、自然と歴史を楽しめる非日常の船旅をご堪能下さい!
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